2012年12月5日水曜日

20121204_人生で一番の不安と悲しみ

タイトルにあるような事が、今起っています。
突然の報告で失礼いたします。

どういう方法で周囲の方々にご報告するのがよいのか、
すごく悩んだのですが、BlogやSNSを通してのご報告をはじめの一歩とさせていただくことにしました。

ぼくも妻も、今は、なかなか立ち直れるか分からない不安と悲しみの中にいます。
今後、みなさまと直接お話できる機会があるかも知れませんが、
その機会の前に、みなさまにご報告できれば、ダメージが最小限になるのではないかと判断したためです。

今後の僕たちの回復には、周りのみなさまの力が不可欠だと思っていますので、
今後ともよろしくお願いいたします。

また、この度は、私の急な不在により、たくさんのプロジェクトに多大なご迷惑をおかけし、
本当に申し訳ございませんでした。プロジェクトの関係者のみなさまには、ご理解をいただき、本当に助けていただきました。回復にはもう少し時間がかかりそうですが、もう少しだけご理解を賜れればと思っております。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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先日、妻の実家へ帰郷していました。
里帰り出産のために長らく生活の拠点を実家に移している妻と娘に会うためです。

予定日を約ひと月後に控えたぼくらは、楽しいひとときを過ごしていました。
しかし、突然、妻の様子が急変しました。
実家の周りを散歩していた時です。

破水したまでは良かったのですが、出血を伴っていました。
すぐさま、実家へ戻り、妻は自ら、かかりつけの病院に電話をし、指示のもと急行しました。
僕が運転し、義母が付き添い、妻を乗せて車を走らせました。

長女を出産した時の記憶が蘇りました。
僕がいる時で良かったな。などと思いながら、
このままの様子だと明日には産まれてるだろうと心が踊っていました。

病院に着き、妻を先生に託すと、
仄かな緊張が少し溶けて、僕と義母は気持ちを高ぶらせながら、廊下で待っていました。

しばらくすると、先生が廊下へ出てきました。
その真剣な面持ちから、緊張が舞い戻ってきたのを憶えています。
『もしかしたら、子どもが危ないかもしれない』というのです。

『このままではお母さんが危なくなる』
『総合病院に搬送するかもしれない』
『搬送するのに時間が掛かり過ぎる』
『ここで手術して、子どもを取り出します』
先生は、妻の主治医を呼び出したり、総合病院への連絡を取り合いながら、
時間のない中で、説明をすると、すぐに手術室の中へ入っていきました。

この時の時間は、自分が生きている心地がしなかったし、
待っている時間が本当に長く感じました。

次に聞いた先生の言葉で、完全に血の気が引いたのを憶えています。
『なんとかお母さんの方は救えたはずですが』
といわれた後、
『お父さん、中へ入ってください』といわれました。

そこには、取り出された息子が、
真っ白な状態で心臓マッサージを受けていました。
1・2・3・4…というかけ声が反復していました。

泣き声もなく、身体も微動だにせず、医師の行うマッサージの反動で身体が揺れているだけでした。
その後駆けつけたレスキューの人による指揮で現場の雰囲気が一変しました。

心臓を動かす薬を投与して、マッサージを続けながら総合病院の方へ救急車で搬送することになりました。
妻の容態を全く知らないまま、義母に託し、僕は息子について行くことにしました。

それからの時間は、本当に浮遊した時間でした。
ドクターから話を聞けたのが、4、5時間後だったと思う。

まだ名前をつけていない息子でしたが、
書類では、事務的に子どもの名前を書くように促されたり、
待っている間に、へその緒だけが手元に届いたりして、
順序だてて考えることができない時間だった。

その後、心臓が少しずつ回復し、自分の力で鼓動するようになったという。
しかし、依然厳しい状態であることなど、嘘のない説明をドクターから聞くことになった。
この時、初めて妻の病名を聞いた。胎盤早期剥離。

説明の取りこぼしがないよう、僕を迎えにくる妻の両親にも、
再度話してもらえるようにドクターにお願いした。
自身が意外と冷静であったことにも驚いたが、すべてがすでにパニックであったので、備えた。

妻の元へ戻れたのが、午前2時過ぎだったと思う。

『命』というものが、どういう定義でかたちを成すものなのか…
この場では議論できませんが、
息子は数日が経った今も、意識不明の状態でいます。

妻は、手術後に驚異的な回復を見せて、今は安心できるほどの状態になり、
つい先日、退院することができました。

僕は明日から、一度、会社に復帰します。
まだ不在になることが多く、ご迷惑をおかけすると思いますが、
よろしくお願いいたします。

今後の報告もこの場でしていきたいと思っております。
息子の回復をお祈りいただければ幸いです。
しばらくの間、妻はなかなかみなさんに返答するのが難しいと思いますので、
何かありましたら、僕の方にお願いいたします。


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(続き)
20121220_人生で一番の不安と悲しみ_02
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